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生活感あふれる"庶民の街"亀戸

東京江東区の亀戸。
友人の話によると一般庶民が多く住む住宅地で、日本語で言うところの「庶民の町」なんだとか。確かにそうで、格別高いビルが林立しているわけでもなければ、現代都市ならではのどこか残念な雰囲気もない。

いやそれどころか至る所、生活の息吹に満ち溢れている。静かで清潔、時折消防車のサイレンが鳴り響く他は一切の喧騒もない、そんな街だ。

亀戸駅の北口からは、一本のさほど広くもない通りが北に向かって伸びている。
この道が休日には歩行者天国となる。細い横道の両側には飲食店や店舗がところ狭しと並び、まさに日本!といった風情。気の向くままふらり路地に入っていくと日本ならではの居酒屋にも巡り会える。賑やかだが煩いわけではない。


盛り上がっていて居心地もよい居酒屋店内。お料理は美味しくスタッフも熱心で真面目だ。ひとり明るいイケメン店員がいて毎回呼ぶたびにさっとやってくるや両膝を付いて見事な日本式サービスで対応してくれる。一緒に行った二人の女の子達は恥ずかしがってしまい、彼と一緒に記念撮影を撮りたいと思いつつ最終的には泣く泣く断念・・・。

さらに驚かされたことがある。
大通り至るところで悠々と闊歩するハトの姿が見られることだ。顔を上げたままのんびりと歩き、人を怖がる素振りすらない。むしろ彼らの行く手を邪魔する人間のほうが怖くなるほど。


街の中をのんびり散歩するハトたち。

ここの空は実に青い。これが自然の本来のありようだというのだろうか。夜10時に見上げると夜空にまだ白い雲がふわり浮かんでいるのが見える。この事実に、北京からやって来た私はある種の震撼を覚えるほどだ!

夜10時の夜空。大気の視界は非常にいい。子供の頃に住んでいた家でも夜空にこんな白い雲が見えたことはなかったと思う。空が近く感じてしまうほどかも~。

とある街そして通りの清潔度を最もよく体感できるのはきっと雨の日だろう。なぜなら雨は、その街の真実の姿を露呈し、それまで見えてこなかった隠された部分までをも外に掃きだすからだ。

ところが雨が降っても亀戸は依然美しい。
いつもと同じ静けさ、そしていつもと変わらぬ清潔さ。

夕方、100円ショップで買ったお気に入りの赤い傘を開き、時折道行く人とすれ違うだけの閑散とした路地を歩いていると、なんともいえない心地よさに包まれる。


雨の中の通り。雪だそうなんだけど気温も高かったのでまるで雨のように感じられた。

亀戸天神は、ここ亀戸の中でも非常に有名な場所で、一年を通し様々な祭事が行われている。

そして花の名所でもある。聞いたところによると最も有名なのは梅と藤の花とのこと。特に藤は既に100年近い年を重ねた老樹で、花の長さはなんと1メートルにも及ぶのだとか。毎年4月下旬から5月上旬にかけて盛大な藤まつりが開催され、東京でも有名なこの景色を見ようと、多くの人が押し寄せてくる。


亀戸天神。

日本では2月3日に節分を祝う。この日は鬼を祓うために豆をまき、新しい一年がすべて思い通りにいくよう(万事如意)にと祈る。

夕方5時半頃到着した時にはもう、亀戸天神は多くの人で溢れかえっており、豆まきの準備も始まっていた。周囲には屋台もでており、その風景が実に壮観だ。中国の寺の縁日と比べてもずっと厳かだろう。

豆まきの儀式が進むにつれ、集まった人々は、一年の平安と幸せ、そして想いが実現すること(心想事成)を願い、慎み深く祈りをささげる。

私も心の中で静かに祈った。
どうか私の日本での生活が全てうまくいきますよう。


節分イベントで敬虔に祈る人達。

儀式が終わった後、地上に撒かれた豆を拾い食べる人。こうして新しい一年が楽しく幸せなものになるよう祈っている。
記事最終更新日:2015/02/14
記事公開日:2015/02/12